箒に跨り空を飛ぶ

６月の梅雨の時期に、
女一人で標高１５００ｍのところでキャンプをする私はキチガイだ。（と思う。）


ここに登ってくるまで、何度も後悔した。


ふもとの草津の旅館で泊まるという手だってあった。


スリップだとか、熊だとか。人だとか。
いつだって危険がつきまとうのに。


自分は運動神経がよいわけでもなく、
神経が図太いわけでもなく、

むしろドジだし、おっちょこちょいだし、ビビり。


いつか事故るんじゃないか‥と不安でいっぱい。


１人の夜だって、見えない恐怖にかられることもある。
（だって、暗闇の中ランタンオンリーなんだもん）



でも、思いがけない出会いや発見があると、
やっぱり旅っていいなって思っちゃう。


好奇心だけで行動していると言っても過言でない私だけど、
まぁ、それもいいのかな、と思う。




‥今回、とても素敵な出会いがあったので、
記憶に残すべくテントの中で日記として書き残していました。

それの書き写しなので、文体が「だ」「である」と、
いつもと少し雰囲気が違うレポになってます。よろしくです。

まわりに誰もいない。

けれど、山の道路なのに意外と車の通りが多い。

みんな私の姿を徐行しながら見物して過ぎ去っていく‥
恥ずかしぃぃ‥。

そんな中、１台の軽自動車が止まった。



「ちょっと撮らせてくださーい!」と。




６０～７０歳くらいのおじさんが、
ＮＩＫＯＮのいいカメラをぶらさげて歩いてきた。


「てっきり若造がやってるのかと思ったら、お宅が見えたから、ちょっと戻ってきたんだ」と。



撮った写真は自宅に送ってくれるとのこと。


「人に話を聞くには、まず自分のことを紹介しないとね」と
おじさんから名刺を受取った。

どうやらふもとにある酒屋さんの店長らしい。



「今の時代は女の人でもこうして１人で楽しむ趣味が増えたんだね」





おじさんは、このあたりの地形や天気を教えてくれた。

そしてしばらくの間会話をして、
私のキャンプしている様子を写真におさめて去って行った。





おじさんは一度車に乗ったのだけど、
また戻ってきて、


ネマガリダケという筍と、缶ジュースを届けにきた。





「小さいけど、この地域の今が旬のものだよ。
これをサバ缶で煮ると本当にいけるんだよ。」と。


ネマガリダケというのは、
根っこが曲がっているから『根曲がりだけ』で、

長い間、重い雪の下で眠っていたがために、
根っこが曲がってしまうのだと。


そんなステキな置き土産を頂いたおかげで、
スッカリ恐怖心が遠のいていった。


根曲がりだけ。




おじさんにあぶってもおいしい、と言われたけど、
網がなかったので、塩ゆでして食べた。

タケノコの風味が凝縮されていて、甘くておいしかった。



雨だし、一人だし。
最悪のコンディションの中にいた私を、
楽しい気持ちにさせてくれたおじさん。

旅を終えて帰ってしばらくしたら、
また素敵なものが届いてくると思うと楽しみ。


「信州に来てくれてありがとう」と
最後におじさんが一言。


旅行客をそう思ってくださる地元の方がいるなんて。

それを励みにこれからも旅を、キャンプを続けていこうと思った夜なのでした。















‥さらに続き。

そして、翌朝、昨晩撮った写真を現像して持ってきてくださいました。
あと、バイクに跨っている写真の撮影会を再度しつつ（笑）

このブログの営業もしつつ（笑）

せがれのパソコンで見させてもらうっておっしゃっていましたが、
見られていますか～??

本当にあのときはお世話になりました!!
これからも長くお元気で!!また信州に顔を出します!